日本の企業文化に、新しい風が激しく吹き始めたようにもみえる

(日経「春秋」2014/6/25付) フォード、バイエル、シーメンス、タタ……。人名を冠した企業は世界に数多い。おおむね、創業者の名前に由来しているようだ。わが国も、トヨタ自動車、ホンダ、伊藤忠商事野村証券、など。ユニークなひねりを加える場合がある。有名なのはブリヂストンだろう。創業家の名字「石橋」を、まず英語で読み替え「ストーン・ブリッジ」をブリヂストンに。サントリーも、創業家の「鳥井」の上に太陽を意味する「サン」をつけたのだとか。一般に、創業者が亡くなって時間がたてばたつほど創業家の影響力は弱まる。この点でもサントリーはユニークといえるだろう。売上高は2兆円を超え、創業から120年になろうというのに、トップの座を常に創業家の人材が占めてきた。そのサントリーが次期社長に新浪剛史ローソン会長を迎え入れる方針という。いきなり、他社で実績をあげた経営者を招く格好だ。日本の企業文化に、新しい風が激しく吹き始めたようにもみえる。
(JN) 創業家、社内生え抜き、それとも他者からと、どれが良いという事はなく、それぞれの会社などの事情に応じて、適切な人事がなされれば良いのであろう。その適切な人事が世の中難しく、様々な人々の立場のバランスでなされるのか。これは、会社だけでなく、多くの組織がそのリーダーを選ぶのに苦労する。実績のある人を選ぼうというならば、社内にではなく他者で活躍する実績ある人を引っ張ってくることの方が確実であろう。これは資本の論理で動く組織であれば、そのような考えも成り立つが、例えば、政党のトップはそうはいかないであろうか。政治思想の異なる人をトップに持ってきたらどうなるであろうか。日本の政党に、その相違がどの程度あるのかわからない。それは転向と解されるか。日本の政界をフレッシュにするために、合弁や解散だけでなく、トップを外から呼んできては。さすがに、政党間ではできないであろうから、いきなり他業種から経営力のある人を某党にというのは。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO73282410V20C14A6MM8000/