こんな言葉の暴力はやはり許されない

(日経「春秋」2013/10/8付) 人間は口のなかに猛獣を飼っているらしい。「口の虎は身を破る」といえば言葉を慎まないために身を滅ぼす大事にいたることだ。その猛獣をあえて、これでもか、これでもかと解き放って省みない人たちがいる。東京・新大久保のコリアンタウンなどで「死ね」「ぶっ殺せ」などと叫びながらデモを続けている集団だ。ヘイトスピーチと呼ばれる、こうした無法を京都市朝鮮学校周辺で繰り返していた団体側に対して裁判所が街頭宣伝の禁止と損害賠償を命じた。人種差別撤廃条約に照らして違法とする判決だ。表現の自由との兼ね合いも問われるなかで、こんな言葉の暴力はやはり許されないと断じた司法にまっとうな市民感覚をみる。欧州ではヘイトスピーチを直接禁止する法律をもつ国もある。判決を機に日本でも立法を求める声が高まりそうだ。まずしき言葉を放つ者たちはきっと自身に報いを受けようが、国を、社会をも破りかねないこの虎たちをどう退治しよう。
(JN) ヘイトスピーチがなぜ起きるのか。また、なぜ学校や子供たちに行うのか、力の持って行き方が間違っているのであろう。なぜ差別をしなければならないのか、それがわからない。自分たちの不満の持って行き方が間違っていないか考えてほしい。言葉の暴力は発言の自由ではない。まずしき言葉、これは日々自分たちも気をつけなければならないのである。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO60785250Y3A001C1MM8000/