消費者が忘れ去った「定価」が復活?

(日経「春秋」2013/6/21付) 物の値段には名前がある。「特価」、「大特価」、「超特価」、さらに「出血価格」、「限界価格」と。「定価」という呼び方は、すっかり姿を消した。メーカーが小売価格まで「定める」のはおかしいと、政府が名前のつけ方に指針を設けたからだ。代わって「希望小売価格」や「参考価格」「オープン価格」が登場し、今では値段の数字を書かない商品カタログが多い。家電などで安値競争が進んだ背景の一つに違いない。そのルールが22年ぶりに改定されるかもしれない。メーカーが「最低販売価格」を指定できる案を、政府内で検討しているという。消費者が忘れ去った「定価」が復活して、実力のない企業まで価格の支配力を強めるのでは困る。ドイツでは、つい10年ほど前まで、バーゲンは夏と冬の年2回と法律で決まっていた。値札に赤字でバツをつけて「特価」を記すのも禁止である。メーカーは価格競争を促す規制改革に抵抗したが、実際は鍛えられて逆に強くなった。
(JN) 安売りは誘惑的であるが、常に安売りじゃ、本来、どうなっているのだろうか、まだ儲けているのではないか、など思ってします。我々としては、メーカーには良いものをより安く生産し、流通での無駄なコストを出さず販売してほしいものであります。資本主義においては、モノの値段は、同じものでも、時、場所、その他の環境で異なってくるはずだから、メーカーが小売価格を定めるのは如何なものか。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO56453490R20C13A6MM8000/