資金を集め、社会に環流して国を富ませる

(日経「春秋」2013/6/22付) 日本で最初の銀行はみずほフィナンシャルグループの源流のひとつ第一国立銀行株主総会史料によると、「国益に資することなら、貸し付けの利息が減ってもこれに助成すべきである。銀行の利益だけを追うのでなく、金融で広く事業を興す助けをしたい」。明治12年の総会で、頭取の任にあった当時38歳の渋沢栄一はこう述べた。自分を再任したいならこの方針を受け入れてほしいと呼びかけ、出席者から同意をとりつける。資金を集め、社会に環流して国を富ませる。そんな役割を銀行は担っていると彼は考えていた。3月末時点の外国人の日本株保有比率も28%と最高だ。株式持ち合いが崩れて株主が多彩になり、経営者は彼らとの対話力を問われる。個別の事業についてだけでなく、何をめざす会社なのか聞きたい。株主総会は来週ピークを迎える。
(JN) 年次総会は、準備する者としては痛くないところまで探られ、成果の配分を追及される。特に、目先の利益を問われる中で、理念とそれに伴う現実的目標を示すのは難しい。でも、その会社なりが何のために立ち上がったのか、その精神は引き継いでいかねばならない。そんな一般的な話ではなく、まずは我が社の理念の基づく、これからの10年の展望を提案しよう。集めた資金をいかに若者や新開発に還元できるか、生き残りをかけてである。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO56499930S3A620C1MM8000/