初めての取り組みとしてレインボーウイークが始まった

(日経「春秋」2013/4/27付) 20世紀の英国で最高のイノベーションは何か。英国の科学者の団体は先ごろ、こう問いかけ広く投票を募った。1位に選ばれたのは数学者チューリングによる「万能機械」の理論。いまやプロ棋士さえも凌(しの)ごうかというコンピューターの、理論的基礎を築いたとされる。だがチューリングの最期は痛ましいものだった。同性愛の罪で保護観察の身となり、41歳の若さで自ら命を絶った。それから半世紀余り。同性愛が罪だという時代は多くの国で過去となった。さらに踏み込んで同性同士の結婚を法律で認める国も増えている。日本ではきょう、初めての取り組みとしてレインボーウイークが始まった。虹は性的少数者の尊厳を意味する。黄金週間を虹色の週間とみなしていろんな催しをするそうだ。改めてチューリングの悲劇を思う。
(JN) 我々には二つの性があるので、自分と異なる性を求めること及び同一の性を求めるという、二つの選択の自由がある。万能機械も二つの選択から計算が成り立つのであるように、人間関係も二つの選択の自由から成り立つのであろうか。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO54447380X20C13A4MM8000/