『ビジネスで巨富を築いたというリカードに、コメントを求めたくなる

<2017年1月15日(日)>
『ビジネスで巨富を築いたというリカードに、コメントを求めたくなる』
 「ポール・サミュエルソンはデビッド・リカードが明らかにした『比較優位』の理論を明快な論理によって導き出される結論は確かに直観に反し、自明とはいいがたい。自由貿易を支える考え方として、世に及ぼした影響も大きい」と「春秋」(170115)は紹介し、その理論が主張されて19世紀から今を考える。「リカードの鮮やかな仕事から200年。19世紀には英国が、20世紀なかばからは米国が、それぞれ自由貿易を推し進めるエンジンだった。そうした流れはしかし、大きな曲がり角をむかえたのかもしれない。ドナルド・トランプ氏、自由貿易に後ろ向きの姿勢は際だってみえる。型破りの言動の背景には、ビジネスで成功をおさめたという自信があるのかもしれない。やはりビジネスで巨富を築いたというリカードに、コメントを求めたくなる。」
 (JN) 経済学を学んだのが40年ほど前で、我が「経済学」学についての知識は相当さび付いているが、比較優位説は記憶に強く残っている。そして、サミュエルソンのあの分厚い教科書を常に手の届くところに置いていたことを思い出す。さて、比較優位説は、国際経済の基本である。そのころの私は、自由貿易が国際経済を発展させるものと信じていた。そして、消費者が有意義に消費生活を送れると信じていた。でも、商品経済は強き者を強くし、階級間の閉鎖性が強くなっている。自由貿易が計算の通りに動かないために、自由経済に矛盾が生じているのか。それとも、比較優位は誤った理論なのであろうか。