苛政は虎よりも猛し

  • (日経/春秋)泰山といえば中国・山東省にそびえる道教の聖地、「五岳」のなかでも別格の扱いで「独尊」と呼ばれる。始皇帝からさらに300年ほどもさかのぼった昔。この山の近くを孔子が通りかかったところ、お墓の前で女性が泣いていた。義父と夫と子どもが虎に食べられたという。そんな危険な土地をなぜ離れないのか。問われて、女性は答えた。「ここには苛政が無いからです」。儒教の古典「礼記」に出てくるエピソード。「苛政は虎よりも猛し」。後の世の注釈では、苛政とは租税を厳しく取り立てる政治を指す、とされる。消費税などの税率引き上げを目指す法案の国会論戦が始まった。人食い虎と言わないまでも、とはいえ財政再建の道筋をつけないと日本の将来展望は描けない。泰山ならぬ大山鳴動して何とやら、で終わらないよう。(12・5・13)=>(JN)選挙ばかり気にして、政治に責任を取らない民主主義も苛政ではないか。

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