アンコエランやフュミスト

  • (日経/春秋)アンコエラン(支離滅裂な人々)やフュミスト(冗談好き)たち。19世紀末のパリで、今日まで影響を与えるデザインやアートが次々に生まれた。いま都内で開催中の「陶酔のパリ・モンマルトル」展は、当時のキャバレーの内装を一部再現しポスターなどを飾っている。自由で活気ある街が世界から才能ある若者をひきつけ、彼らが街の生活を描くことで、今で言う情報発信を担う。これが文化・観光大国フランスの土台を築いたのは間違いない。第2次大戦後の米国も似ている。ヒッピー文化の興隆で自由と平等を求める志が育ち、デジタル界での世界企業輩出につながっていく。いずれもお上が旗を振り、税金で育てたわけではない。今の日本ならさしずめ秋葉原や原宿、自在に作品を公開できるネット空間か。文化、観光、起業。どれも成長の要だ。その成否は、若者への懐の深さにもかかっているのではないか。(12・5・12)=>(JN)量的拡大時は生まれるものも力強い。いま若者は小勢力である。懐の豊かな60代が活気づいている。若者の懐を深くするには?我が業界は役に立つのか。

http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE6E3E1E1E3E7E4E2E3E0E2E7E0E2E3E09F9FEAE2E2E2;n=96948D819A938D96E08D8D8D8D8D