ヒマワリは核軍縮や平和の象徴になった 240731

 夏にあると毎年、近所の花屋でヒマワリの切り花を買うと『天声人語(240731)』。花瓶に挿して眺めると、丸顔が笑っているようで気分が明るくなる▼ヒマワリは北米原産、花というより食用作物だった▼16世紀に欧州へ渡って世界に広まると、花は愛され、学名は「1一年草の太陽の花」▼1996年、旧ソ連時代の地下ミサイル格納庫跡の上に米、ロシア、ウクライナの国防担当閣僚が共にヒマワリの種を植えた。「私たちはこの地にヒマワリの種を植え、太陽は再び輝き出した」。当時の米国防長官の言葉に、冷戦終結の世界で核軍縮が進むかもしれないと思った▼ロシアによるウクライナ侵攻が続くなか、あのころ抱いた小さな期待も消えた。闇でなく光を、恐怖でなく希望を。太陽のような花が叫んでいる。
 (私たちは)なぜ、過去に学べないのだろうか。なぜ、戦いを止めることができないのであろうか。なぜ、排他的になって行くのであろうか。なぜ、無駄に軍需品がつくられて行くのか。誰のために他者を容赦なく叩き潰そうとする行為を続けているのか。何のためだ。いよいよ、明日から戦争に思う8月である。