『国民投票、複雑な問題をイエスかノーかで問う手法は、危険も伴う』

<2016年10月10日(月)>
国民投票、複雑な問題をイエスかノーかで問う手法は、危険も伴う』

 「国民投票はきわめて民主的である。ただ、世界を見渡すと、投票結果を前に考え込んでしまうような例が相次いでいる」と「天声人語」(161010)は言う。「6月の英国の国民投票は、後悔先に立たずの言葉がぴったりくる。南米コロンビアでは今月初め、内戦の和平合意が国民投票で否決されてしまった」と。そして、「日本で国民投票の制度があるのは、憲法改正である。危険を冒して刃物を扱う必要性があるかどうかは、慎重に考えたい。やり直しのきかない、一振りだから」と。

 一般大衆は、明日よりも今が大事なのである。そして、過去がどうであろうとも今である。世界より、自分の小さな場所が大事である。また、勢いや甘い話が大好きだ。平和に暮らしたいはずなのに、為政者がどんなに素晴らしい将来を描こうと、それを選択するかはわからない。信用するのは、見知らぬリーダーの話ではなく、身近な仲間の話である。リーダーは今を如何に将来につなげて大衆を説得るか、また一般大衆に対して、自分たち個々の判断が歴史を変えること、やり直しがきかなことを説明しなければならない。これは時間をかけてみんなが理解できる環境づくりが大事である。(JN)