それでも地球は動いている 231011

 「ブレイン・マシン・インターフェース」の技術開発を進めるパドバ大学と科学に『春秋(231011)』は思う▼パドバ大は「神」に挑んだ歴史を持つ▼ガリレオ・ガリレイは18年間の在籍中に月面の観察や木星の衛星発見など数々の偉業を成しとげた。パドアがあったベネチア共和国が当時のイタリアで唯一、ローマ教皇の勢力から独立していた幸いし、研究に全身全霊を注いだ。だが、その自由は奪われる▼異端審問のかけられ有罪。「それでも地球は動いている」史実にはないらしいが、最後まで科学者の気概を持ち続けたのは間違いない。科学とは真理を掲げ、神の領域に挑戦した人々の叡知の連なりである。
 (わたしたちが)この世で知りうる真理は如何ほどなのだろうか▼わからぬ謎は、未だに神の領域なのか。自分の外はどうなっているのか。自分の脳の中はどうなっているのか▼念じれば、人や機械を動かせるとは、恐ろしや。この挑戦が何を生み、何を変えて行くであろうか。私とは脳であろうか、ないのか。