集まった落ち葉一枚一枚に人がまだ解けぬ謎がひそむ

(日経「春秋」2014/11/23付) 海藻や植物プランクトンなどの藻類のレベルに人間がやっと追いついた。太陽光と水と二酸化炭素(CO2)を使って糖などのエネルギーを生み出す光合成の新技術を、東芝が開発したという。4年前にノーベル化学賞を受けた根岸英一さんが、人工光合成は化学者の最優先テーマだと繰り返していたのを思い出す。きのうが二十四節気小雪。北からはすでに白の便りだが、東京では光合成の大役を終えた葉が色づき、舞っている。歩道を埋め、大きな袋に詰まってごみ収集所に集まった落ち葉一枚一枚に人がまだ解けぬ謎がひそむ。つくづく自然は奥深い。
(JN) 人類がどんなに発展しようと、この世界があるからこそ生成発展をしている。我々の見えるところ、そして、我々には見えない遥か彼方まで、この世界の環境がどのように変化して行くのか。このちっぽけな人類が何かをすることで、世界はどのように環境を変化させてくるのか。人類は、その世界と闘い発展するのか、それともその中に溶け込みながら発展するのか。藻類のエネルギー効率に近付くことは、どちらになるのか。我々人生80年において、未来の人々に良い環境を提供できるように、この科学の領域から、身近な政治経済の領域まで、良い財産を残して行きたい。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO80066390T21C14A1MM8000/