『#なじみの魚もいっそう縁遠くなりかねない』

『#なじみの魚もいっそう縁遠くなりかねない』<2022年4月19日(火)>
 北海の漁業とウクライナ情勢を『筆洗(220415)』は思う。ロシア極東の川で生まれ、回遊中の北海道沿岸で春に捕獲されるサケはトキシラズ▼産卵準備前のため身に脂が乗っていて、腹側の内臓のまわりのハラスが特に美味▼北海道沖のトキシラズの漁獲量を協議する今年の日ロ交渉が先日、始まった。サケの場合、故郷の川の国に管理権がある「母川国主義」だから▼ウクライナに侵攻したロシアに経済制裁を科す中の交渉。妥結すれば協力金を払うため、国際社会の批判を浴びる恐れもある。日ロ関係が冷え込んでおり交渉は難航も予想される▼ウクライナ情勢はサンマ漁にも影響。北太平洋公海漁場へ最短で向かうにはロシアの二百カイリ水域を通る必要があるが、拿捕を心配する声がある。遠回りすれば燃料費はかさむ。不漁続きなこともあり、五~七月の漁は三年連続で見送られるらしい▼戦火がやまねば、北洋の波も高いままか。なじみの魚もいっそう縁遠くなりかねない。
 (私たちは)結構不安定な状況にある。いまは平和な日本、非常時になるとどうなるのか。安いものを追い求めてきたツケが来ているのか。生活のあり方から、国の政策まで、考え直す時であろう。やっと、居酒屋がコロナ禍で遠くなっていたが段々と近づいてきたのに、そこでの楽しみがどうなるのか。
#ロシア
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#母川国主義
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