『日本型雇用慣行の行方まで見通さねばならぬ』

『日本型雇用慣行の行方まで見通さねばならぬ』<2018年10月11日(木)>
 「三菱財閥の功労者だった荘田平五郎はよく企業の新卒採用の第1号といわれる」(1875年)。『余録』(181011)は、「入社の背景には、三菱の岩崎弥太郎を高く評価して実業界への人材送り込みをめざした福沢諭吉の存在もあったと・・・三菱はその4年後には新卒者の定期採用を始めた・・・1920年代末、大手銀行などの企業間で『入社試験は卒業後に行う』ことが決められた。しかし戦後と同じように企業の抜けがけが絶えず、ほどなく協定は破棄されるはめになる・・・2021年春入社から廃止することを決め、経済界が主導する就活ルールはなくなることになった・・・今後は政府が新たな就活ルール作りを主導するが、当然ながら学生や中小企業が抱く不安への対応が求められよう」。
 (JN) 話はごっちゃになりそうだが、新卒採用の一斉採用という我が国の進路一本のトラックのあり方をこれと一緒に何とか変えられないものか。大学側は、もっとしっかり勉学優先を基本とし、就職活動に踊らされないようにできないのか。学生を4年で卒業させて、同時に就職を決めるという就職優先の考えをやめるべきである。大学は、ディプロマ・ポリシーを掲げながら、そのポリシーに沿った人材を社会に出すことを怠っていないか。一緒に働く仲間を見出すという人事に方々の苦労に大学が報いるだけの人材養成ができれば、この採用の世界も変わるであろうが、現実は難しい。