こうして化かし合いが加速する

(日経「春秋」2013/1/13付) 付属高校からエスカレーター式に大学に入った学生は、就職活動で不利になる。そういううわさがあるそうだ。本紙電子版の連載企画「就活探偵団」で記者が採用担当者などを取材した。ある食品会社は「付属校上がりはお断り」。理由は、大学受験をくぐり抜けておらず学力や精神力が鍛えられていないから。本人のあずかり知らぬうちに熱意はひっそり門前払いされてしまう。学生もすれていく。「就活はトランプでいうダウト。一を百だって言う分には、バレなきゃオッケー」ある電機メーカーは面接時、素顔を知るため控室の態度もこっそり観察。こうして化かし合いが加速する。まじめだが不器用な若者などは網からこぼれがちだ。時間と場を共にするお試し期間を経て、互いの素顔をじっくり理解し、長期契約に印鑑を押す。男女の結婚ならこれが普通になった。就活も、うまく変わっていけないものか。
(JN) 現在の新卒一括採用の流れが主ある限り、じっくりとマッチングすることが難しい。中途採用があるいは年度採用から問題であろう。これは大学の入試も同じかもしれない。効率的に一括して決めていく方法では、双方に不幸が生じるのではないか。化かし合いではなく、双方が理解しあえる枠づくり、壁のない枠を作ろう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO50564530T10C13A1MM8000/