『会社の深夜の仕事が東京の夜景をつくっている』

『会社の深夜の仕事が東京の夜景をつくっている』<2017年12月25日(月)>
 まつりさんは生前、幸美さんに「会社の深夜の仕事が東京の夜景をつくっている」と話していたという。『余録』(171225)は、2年前のまつりさんのお母さんの幸美さんの気持ちを思う。「イルミネーションがきらめく街をまつりさんの母幸美さんは警察へ向かう。『うそであってほしい』と願いながら。だがこの日が娘の命日になった。師走の夜、都心のオフィス街を歩く。ビルを見上げると、今も遅くまで窓の明かりがともっている。窓の中で人影が動く。向かいのビルでも。会社の明かりが早く消え、家々の明かりとイルミネーションで東京の夜景をつくる時がいつか来るのだろうか」。
 (JN) 今、自分の子どもたちや職場場の若手の姿を見ると、もっと早く帰れないかと他人事のように言ってしまうが、自分は早く帰宅して、家庭や地域の中で夕食を取り、家族との時間を長く持つことができただろうか。自分が若かりしころは、そんなことを考える能力がなく、只管遅い時間まで仕事場で頑張っていた。そんな自分を家族はどう思っていたのか。早く帰れば子供たちが競争して玄関に駆けてくる。これがうれしかった。早く帰れば、良いのに帰れない。この環境を変えたいと皆思っているはずだが変わらない。「早く帰れよ」と上司が言うが、「早くこれもやってよ」とも言う。何とかならないだろうか。東京中の皆が仕事を早く切り上げれば、私たちの心身を守るだけでなく都会の電気も節電できる。まつりさんの言ったこの「会社の深夜の仕事が東京の夜景をつくっている」というこのことの意味を私たちは考えなければならない。