『昭和は遠く平成も残り少ない。振り返っても風が吹いて・・・』

『昭和は遠く平成も残り少ない。振り返っても風が吹いているだけかもしれぬが、振り返らずにはいられぬ人との別れである』<2017年12月4日(月)>
 「はしだのりひこさんが亡くなった。七十二歳」。『筆洗』(171204)は想う。「今年四月のコンサートに車いすで出演し、フォークルメンバーだったきたやまおさむさんらと「風」を歌ったのが最後のステージになったと聞けばファンは悲しくてやりきれなかろう。歌謡曲の歌手から嫌われて・・・当時のアングラ志向のファンには不評で・・・双方からにらまれつつも、間に立って橋を渡し、それがやがて流行歌の新しい波になっていったか。フォークルの長身お二人の間で歌う小柄なお姿の白黒映像が浮かぶ。昭和は遠く平成も残り少ない。振り返っても風が吹いているだけかもしれぬが、振り返らずにはいられぬ人との別れである」。
 (JN) 桃園の誓いの3人というのは大げさかもしれないが、あの素晴らしいグループ、フォーク・クルセダーズ北山修さんだけになってしまった。この3人を初めて見たのは何時だったろうか。まだ「人類の偉大なる第一歩」、アームストロング船長が月を歩く前だったか。「帰ってきたヨッパライ」、世の中を馬鹿にしような、意味のない曲と思いながらも口遊む。それから次が「悲しくてやりきれない」であったろうか。良く歌ったため、まだ歌える。2曲ぐらいで解散してしまった。それから半世紀、加藤和彦さんは自殺し、端田宣彦さんも「死んじまった」。師走のこの時期、忙しいところであるが、沁み沁みと想うことが必要だ。「何かをもとめて振り返っても そこにはただ風が吹いているだけ」であろうが、彼らを惜しみ歌いたい。人は亡くなる事を避けられないが、歌は残る。歌は心だ。彼らは、帰っては来ないが、心に残っている。端田さん、ありがとう。