『二十歳の原点』

二十歳の原点』<2019年6月24日(月)>
 本日、美空ひばり高野悦子の命日。『春秋』(190624)はこの二人を想う。美空ひばりが「亡くなったのは平成が始まった年・・・昭和の哀歓はすこしずつ記憶から遠のき、世相は軽くなった・・・50年前に自ら命を絶った立命館大の学生、高野悦子である。没後に刊行された手記『二十歳の原点』は1970年代に広く読まれ、ロングセラーに・・・いま読み返すと、彼女はずいぶん生硬な言葉で自身を追いつめている。・・・最近、手記をもとにした「コミック版 二十歳の原点」が出た。・・・すっかり過去になった物語が、不意に、こんなふうに甦るのだから不思議なものである。そういえば、たまに美空ひばりを聴くと強烈に胸にしみる。時空を超える力だろう」。
 (JN) 6月24日没、20歳と52歳。高野悦子さんがご存命であれば70歳代のおばあちゃん、美空ひばりさんは80歳代のおばあちゃんであろうか。私にとっては遠くない年齢に人たちだが、昭和に亡くなった方々は、もうドアの向こうの歴史の中の人たちだろうか。昭和は遠くなっていく。終わって30年、随分と世界は変わった。況してや50年前とは、随分と様子が変わっていようか。もう、「我々進歩的学生は」と、国家独占資本主義に異を唱える大学生はいないだろう。全ての歌を素敵に歌えるひばり嬢はいない。真似は出来ても、真似に過ぎない。さて、今日は「二十歳の原点」を買い求めに本屋に向かおう。そして、何を歌おうか。「川の流れのように」か、いや、「一本の鉛筆」だ。ドアを開けなくても昭和がある。

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