『ギャンブルの最大の利益はそれをやらないことで得られる』

<2016年12月16日(金)>
『ギャンブルの最大の利益はそれをやらないことで得られる』
 ルネサンス期のイタリアの医師、数学者、哲学者だった天才のカルダーノは、ギャンブルの虜であった。「余録」(161216)は、そのカルダーノの確率の話を伝える。「天才は結論を下す。『ギャンブルの最大の利益はそれをやらないことで得られる』。そして、「『わたしは勝負事が好きだったのではなく、引きずり込まれたのだ』と賭博にのめり込んだ心境を語ったのもカルダーノだ。万能の天才も引きずり込む魔をこれ以上社会に巣くわせてはなるまい。」
 私たちは商品の海の中で、様々な価値を生み出し、その価値に苦しめられている。そんな私たちを苦しめるものの一つとしてギャンブルがある。プレイしている時は楽しい、特に勝っている時は有頂天になる。そして、調子に乗ってすってんてんになる。ゲームが楽しいのか、儲けるのが楽しいのか、何の価値があるのか。人生をも狂わしてしまうギャンブルは、資本力のある者には利益を上げる一つの価値ある産業であろう。立法府はこれを良しとしてしてしまったが、これから執行するものはどんな価値あるものにするのか。また国民はどのようにこの経緯をどう理解するか。(JN)