『人に会いたくない時間もあった』

<8月10日(水)>
『人に会いたくない時間もあった』

 米大リーグのイチロー選手が3000本安打を達成した。このイチローを「春秋」(日経/16/8/10)は、「古武士の風格」があると。そして、「目を潤ませながらの記者会見では、偉業を達成する間際の不振を『人に会いたくない時間もあった』と振り返った。しかし、『達成感や満足感を味わうほど前に進める』と聞けば、飽くことのない鍛錬の日々が思われて頭が下がる。曹洞宗の祖、道元は言う。『修せざるにはあらはれず、証せざるには得る事無し』。アスリートらは実践を通じ、とうに気付いているはずだ」と。

 自分が達成した訳ではないが、イチロー選手の3000本安打は嬉しかった。難産と言うほどではないが、この一郎でもヒットが出なくなる苦しみを一緒に味わい苦しんだ。イチローは苦しんでもヒットにならなくても、変わることなく日々、ルーチンを続けて行く。感情を出さない、やることをやる。あと2本、1本・・・・。朝、ニュースより大リーグ中継にチャンネルを合わせる。今日は先発ではない、いつ出てくるのだと、こっちがイライラする。イチローは「人に会いたくない時間もあった」と、そうであったのか。イチローでもそんなに苦しんだのか。さあ、今度は一緒にどこで苦しむのだろうか。「修せざる」私は悟り得ることなくハラハラするのみなり。(JN)