『力まかせの処断が新たな混乱を生むのは歴史が教えるところである』

『力まかせの処断が新たな混乱を生むのは歴史が教えるところである』

 クーデターが未遂に終わったトルコでのその処分の在り方に、「春秋」(日経/016/7/20)は「力まかせの処断が新たな混乱を生むのは歴史が教えるところである」と警告を鳴らす。「クーデター失敗からわずか数日、これほどの粛清を推し進める政権の早業を世界はどう見よう。こんどの騒ぎでは、たくさんの市民が勇気を振り絞って軍に立ち向かった。その精神を汚してはなるまい」と。

 トルコのクーデター未遂、その現実がどうなのか。体制側がこれを機会として絞めつけるのは定石である。そして、絞めつけが強くなるほど反発も激化するのであろう。今後、解雇された公務員などが何を柱に戦いを挑むのであろうか。守る方が必死になるので、双方、譲れなくなってくる。エルドアン大統領は、死刑制度を考えるよりも、融和する方法を考えられないのか。そうしないと、他国や過激派団体が介入してくるであろう。せっかくの市民のクーデターへの抵抗が無となる。(JN)