『ロシアの自浄への本気度が試されている』

『ロシアの自浄への本気度が試されている』

 ロシアのスポーツ界によるドーピング隠蔽について、「春秋」(日経/16/7/21)は、「ドーピングは、体制が変わった今も秘密警察のやり口ではびこるのは何故だろう。強権的統治を続ける大統領の権威を守るためか。薬物を使った選手に検査官が口止め料を求める例もあった。イデオロギーのタガが外れ、金もうけの手段となったかにみえる。『不当な政治介入』。元連邦保安庁トップの大統領は何度目かの決めゼリフで反発したが、間近に迫ったリオ五輪への選手団の出場も瀬戸際だ。釈迦に説法は承知で、講道館柔道の創始者嘉納治五郎の言葉を紹介したい。『技より入って道に進め』。一本、それまで、と言われぬために、自浄への本気度が試されている」と述べる。

 スポーツは何のためにあるのか。勝つことに意義があるとしても、薬物使用で選手を実験動物のように扱うのは、人として許しがた。それを国家として行い、また隠ぺいするとは、人を人と扱わぬ神をも恐れぬ行為である。そのたっめの組織があり、その秘密を守るためには、暗殺をする。競技に勝ということは、人の命より尊いというこのなのか。その行為を動かした考えを直さねばならない。薬に頼るのは病人だけ、健康な者の健康を奪う勿れ。国民を兵器のように扱うような国家は、敗北するしかない。(JN)