『温暖化は、稲作地を動かして行く』

『温暖化は、稲作地を動かして行く』
 温暖化の影響もあり稲作は、北海道や青森県が元気であると、日経「春秋」(2015/11/1付)は、北海道産米が「ゆめぴりか」や青森産の「青天の霹靂(へきれき)」を例に出している。逆に、「九州などでは、イネが暑さに耐えられず、米粒が白く濁るといった被害が一部でみられる。環境省の審議会が今春まとめた報告書によれば、九州地方では品質の高い1等米の比率が、今世紀半ばになると3割減るおそれがある。病害虫が増えることも予想されており、こちらは温暖化が稲作の大敵だ。九州の農業試験場などでは対策を急がなければと危機感が強い。暑さに負けないイネ作りで強力な武器になるのが遺伝子情報だ」と。
 私たちがお米に求めるのは、パンのような加工による美味しさではなく、そのものの味の良さである。日本の料理というものが食材そのものに美味しさを求めるのであろうか。そのため、お米だけでなく、野菜や果物も、如何にそのまま美味しくまた見てくれの良いものを作り、市場に出す。肉や魚も同様である。これに対して、今後も、消費者はそのように行動して行くのであろうか。輸入品が安全であり、安いとなると変わってこないであろうか。丹精込めて美味しいお米を育てることの贅沢は、今後も続けて行けるのか。国は、美味しいお米のためにどれだけの支援をするのか。品種改良は、美味しいものであるに越したことはないが、低廉で安全に大量の生産ができる品種も必要ではなかろうか。(JN)