『「老益」に至るみち』

『「老益」に至るみち』
 70歳の元サラリーマンがインターンに? 「マイ・インターン」を朝日「天声人語」(2015年10月18日)から老人の生き方にヒントを。「最初は疎まれたものの、次第に会社に不可欠な存在になっていく。経営者の悩みに寄り添い、同僚たちに生活の助言をする。日本は、働くシニアも増えている。『日本の取り組みを世界に向け発信してほしい』とは、世界保健機構のチャン事務局長の言葉であるが、良い見本ばかりではない。新国立競技場の建設計画をめぐる混乱、森喜朗元首相ら重鎮たちの存在が大きすぎることの弊害である。経験は、ときに傲慢に転じる。『老害』なるどぎつい言い方に代わる言葉があるとすれば『老益』か。そこに至るには、謙虚さがいる。」
 インターンを受け入れる。新人の受け入れと同じくらい、期待と緊張をその部署にもたらす。また、受け入れてからも、様々な影響を与える。職場仲間と違い共通の常識を持たず、知識が少ないだけに、仕事の一つ一つを改めて見直す機会となる。若手は子分がやってきたと張り切る。ところがそれは、インターンが若いからだ。新人やインターンがところが70歳であったらどうなろうか。当方はそんな職場にいた。初等中等の校長をしていた大ベテランが4〜5年のサイクルで入ってくる。元校長が若蔵と一緒に教職指導を行うのである。我々若蔵は非常に気を使ったが、人生の大先輩にはそれ以上に教えていただくことが多かった。それから30年ほど経ち、自分がその年になってきた。自分はどうなるであろうか。老益か老害か、老任を考えてみよう。(JN)