『大動脈の安全の確保を願う』

『大動脈の安全の確保を願う』
 最近、多発する鉄道のケーブル火災について、日経「春秋」(2015年8月31日)は、その安全を願う。「東京は『新陳代謝都市』である。変わり身の早さは世界に類がない。昭和40年代、東京駅から電車に乗ると、浜松町をすぎる辺りで海に続く水路が光っていた。いまは山手線もビルの間を縫うように走る。最近、火災や架線切断などが相次ぎ、運行見合わせで約36万人に影響が及ぶケースもあった。新陳代謝都市の動脈には思った以上にストレスがかかるのかもしれない。運ぶ数も距離も比較できないほど増えた。けれど手抜かりは許されない。その思いを感じながら、今日も明日も安全に運行してほしい。」
 私たちのこの社会は、信用によって効率良くまわっている。この信用が低くなると、その分それを補う必要が出てくる。それは一つの事から様々な反応が生じ連鎖反応起こす。東京の大動脈が危ないとなると、更に量的規模は巨大になる。風が吹けば桶屋が儲かるではないが、このような誰かによる破壊行為が、私たちの小さな生活を崩壊させることにもなる。鉄道会社は、その保守のためにその負担は弱い労働者の賃金に、また勤務時間への影響が出る。利用者は、早目の利用の行動となり、その時間のしわ寄せは、自分の時間を犠牲にする。まだ、事故なのか、誰かの仕業なのかわからぬが、当たり前に動いている列車を止めることはするなかれ。(JN)