宿題の作文を先生にほめられ、はにかむ女性は…

宿題の作文を先生にほめられ、はにかむ女性は…
 「自主夜間中学『えんぴつの会』の教室」にての出来事、毎日新聞「余録」(2015年07月12日)は、「退職した教師らがボランティアで教えている」現状、「小中学校の不登校12万人、高校中退6万人。今の学校が新幹線より速いリニアモーターカーではないかと思う。ついていけない人は、再び乗れないのか」と。「若いころ、タケさんという生徒がいた。家が貧しく、子守で学校に行けなかった。53歳で初めて年賀状を書いた。ひと文字ひと文字、懸命に書いた。先生にも一人残らず年賀状を出した。タケさんは卒業する時の作文につづった。<ずいぶん年をとってから/私は私の乗れる汽車をみつけた/それは夜間中学校という鈍行列車>。えんぴつの会は今週末から夏休み。秋にはまた列車のドアが開く。」
 世の中、皆が自分と同じ条件で生活していない。様々な環境の中で、共同生活をしている。いま、この世の中が住みやすく満足している人には、現状の変化は望まないだろう。しかし、変えなければならないことが多々ある。それは、現状を握っている者が支援しないので、体制とは異なるボランティアで、困っている人たちに対応するしかないのだろう。資金よりも人の心が大事なのであるが、できれば無駄に使われる税金の一部をこういった教育活動にもまわすことができないのであろうか。私は、ピケティーのような分析をしているわけではないが、この生活格差は縮まらず、拡がるだけである。いまを維持したいものは、下の者がいるという事で満足はさらに高まろうが、その歪みは大きくなると、日本は安心して住める国ではなくなろう。新幹線やリニアモーターカーに乗るのにも、かなりの手続きという差別が出てくるのではなかろうか。(JN)