『専門家は混乱やパニックを恐れるが、それより避難遅れの危険・・』

『専門家は混乱やパニックを恐れるが、それより避難遅れの危険の方がずっと高いのが現実』
 桜島が噴火警戒レベル4(避難準備)に引き上げられ、毎日新聞「余録」(2015年08月18日)は、死者58人が出た大正の桜島噴火を想う。
 「大正の桜島噴火は、鹿児島測候所が予測を誤り、住民の避難が遅れた。当時、測候所は地震や異変の報告や問い合わせがあったのに噴火の可能性を否定し、住民は大噴火の不意打ちを受けた。測候所の誤判断のように、専門家による避難指示の遅れなどを災害心理学で『エキスパートエラー』と呼ぶ。専門家は混乱やパニックを恐れるが、それより避難遅れの危険の方がずっと高いのが現実という。むろん1世紀前の轍を踏むはずもなく、いち早く出された今回の警告だった。避難勧告が出た火口から3キロ圏内の住民は避難を続けている。火山の島で暮らす危険性は普段から覚悟していよう住民だが、いつまで続くとも知れぬ避難生活やふるさとを失う不安はいかばかりか。今日なお『理論』は噴火予知まではできない。」
 「注意報」、騒いだが、何もなかった。それを繰り返すと、慣れていしまい注意を怠るようになる。これが怖い。空振りは空しいが、それを続けなければならない。それが生きるためである。この空振りを余計なこととせず、そのたびに様々な条件を考え、できる限りの準備をして行く。更に、私たちは素振りをしなければならない。それは、桜島のように火山が生活圏から非常に近いところから、結構離れたところまで、様々な機会をとらえて素振りの訓練を繰り返し、「いざ」という時に備えたい。これは行政に従うのではなく、地域の住民が自ら行うことなのであろう。「いざ」という時が来なければ、それに越したことはない。その素振りにおいて、それぞれの地域の連帯を深められれば良い。自然を予測することは難しい。様々な環境においての事例は正解を出しにくい。笑われても良いから、早めの行動だ。動くのが辛い老人や障がい者等を如何に守れるか、そのためには早い行動が必要だ。また、続くかもしれない避難生活の環境改善を充分に配慮したい。(JN)