『#海上の道』

『#海上の道』<2021年10月30日(土)>
 小笠原付近の海底火山から出た大量の軽石沖縄県などに流れ着いたことに『春秋(211030)』は思う。「名も知らぬ遠き島より/流れ寄る椰子の実一つ」。これは島崎藤村ではなく友人の体験だった▼友人とは柳田国男。海で漂着した椰子の実に気づき、長い旅路に驚いたのが後の「海上の道」につながる▼南洋からの漂着物でも、こちらはロマンからはやや遠い。海面に厚い層を作り漁港や岸を埋め、漁業や巡視艇の運航に支障をきたしている▼観光、生態系、取水が要る原子力発電など、さまざまな分野で影響を懸念する声が起きている。柳田の「海上の道」によれば、椰子の実は北陸や佐渡、東北など、思いがけず広い地域に届いた伝承が残るそうだ。軽石の漂着も、前例の記録は乏しいかもしれないが備えは万全に。「想定外でした」という言い訳はやめたい。
 (私は)疑問に思う。この自然の当たり前のことを事前に対応できなかったのか。現在の日本の科学と技術が、なぜこのようになるまで対策がなされなかったのか。科学や行政等、様々な対応が縦割りで、つながりがないのか。行政のトップは、自党のことで精一杯で、現在に危機に無関心か。
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