『怪力乱神を語らず』

『怪力乱神を語らず』<2019年9月13日(金)>
 論語、「怪力乱神を語らず」、『筆洗』(190913)はまず説明する。「理性の及ばない怪異や鬼神のような不確かな存在について、君子や為政者は語るべきでないと・・・実りはないと知りつつ、怪力乱神を熱く語るのが好きなのが人間・・・ネス湖ネッシー・・・・ヒマラヤの未確認生物イエティ・・・偶然四十年前の雑誌の政府広報が目に入った。原発推進を唱える高官が対談の中で石油は三十年で枯渇するという説をもとに、枯渇という『狼』が『その辺まで迫ってきている』としきりに危機をあおっていた。狼はどこに行ったか。世の中を治める人が語らないほうがいい怪力乱神はやはりあるようだ」。
 (JN) 現政権の設立とともに、原発推進が始まった。随分と投資をし、失敗をしてきた。ついには大事故も起こしてしまったが、原発が止められない。ネッシーやイエティの話には夢があろうが、オオカミの話は夢がない。確かに石油はやがて枯渇するであろうが、だから原発を推進せねばならないとはならない。為政者は、明確な証拠と、それに基づく論理的展望を掲げて欲しい。だが、私たちは論理的な難しい話より、感情を揺さぶる派手な話が大好き。怪力乱神を語り、政権はオオカミだらけになるのか否か。それは、国民次第であろうか。子曰く、「民は之に由らしむべく、之を知らしむべからず」??