『それは英国の民主主義の名折れとなるかもしれぬ』

『それは英国の民主主義の名折れとなるかもしれぬ』<2019年9月1日(日)>
 英国のEU離脱に、ジョンソン首相は国会の閉会にて「合意なき離脱」を進めようという行為に、『筆洗』(190901)は、古代ギリシャの僭主トリュゾスの末路を思う。「反乱を防ぐため、市民に対し、互いに言葉を交わしてはならないと命じたという。声を奪われた市民たちはどうしたか。言葉ではなく、身ぶり手ぶりや表情を使って話をするようになったが、僭主は激怒し、こうした行為もすべて禁じてしまった。・・・声も身ぶり手ぶりも禁じられた市民たちはついには泣きだした。トリュゾスはこれにも怒り、目から流す涙の自由も奪おうとしたが、ついには市民が立ち上がり、トリュゾスを退けたという。声を奪った者の末路である」。
 (JN) 権力を我が手てに持つと、それを守ることに終始し、それまでのことを忘れてしまう。どこの国もと言いたくなるほど、各国のトップは、その姿は異なるが、守るために異にする者を抑え込もうとする。それは国だけではなく、多くの群れの中で起きる。権力、金、名誉等、持ってしまったものは、その力で守る。そして、更に自分に権力と金が舞い込むようにする。そうならぬように、民主主義の装置を作ってきたが、まだまだ抜け道だらけである。否、意味あって抜け道があるのであり、それを悪用してはならない。為政者の誇りを持ち、言論の自由を抑えてはならない。英国の民主主義はどうなるであろうか。民主主義において、大きな問題を一挙に片付けることはできない。抜け道ではなく、言論を以て、道を一つひとつ切り開いていくべきである。
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