精神科医の資格で不正

精神科医の資格で不正
(朝日「天声人語」2015年4月17日) 付き添いで驚いたことがある。担当の男性医師は患者の顔をほとんど見なかった。パソコンの画面とにらめっこ。通院先を小さな医院に変えることにした。診察ぶりは一転、女性医師は時間をかけて丁寧に患者の反応を見ていた。状態は明らかに改善した。心の中をのぞくことは難しい。「患者の数だけ治療法があるといってよい」。川崎市の聖マリアンナ医大病院で重大な不正が発覚した。「精神保健指定医」になるため、先輩医師のリポートの内容を引き写すことが常態化していたというから驚く。誤診や失敗をしたことのない名医などこの地上には一人もいなかった。精神科医の故なだいなださんはかつてそう書いた。名医でなくていいから、せめて誠実な医師に診てもらいたい。
(JN) 多くの者が、お医者さんのお世話になる。その時のことは、子供のころから記憶にあろう。完全な医者はいないが、良い医者さんやひどい医者は覚えている。忙しく患者が来る中で、最善を尽くし判断をして行く。それは、患者をきちんと診るからであろう。これは、医師の世界だけでなく、人と対応する仕事は、相手を見ることである。相手を見て差別するのではなく、誠実にその人の話を聴き対応する姿勢が必要である。相手の存在を認めることで、自分の存在も生じるのであるから、良いお医者さんは認められるのである。精神科医の資格を取ることは、その能力を満たすことであるはずが、誇りある精神科医と言う職を何と心得ているのであろうか。
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11709093.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11709093