松も人も地域も、一層おがることを祈っている

(日経「春秋」2015/1/3付) 「がおる」と「おがる」。宮城県名取市で海岸の松林をよみがえらせようと活動する人たちに聞いた。がおるはしおれる、おがるは逆に、大きく成長するという意味だ。人々は震災の翌年、クロマツの種をまいて苗をつくることから始めた。地元の「海岸林再生の会」を非政府組織が支援する植林は7年がかり。せいぜい50センチほどの松が「湿気(しけ)っぽしい潮風」から生活を守るまでには30年、50年かかる。ボランティアの力も借り、手作業を積み重ねていくしかない。震災前の忙しさに戻ったという農家がある。まだ浜辺に近づけないという人もいる。それでも、一度はばらばらで話し相手もなくなった人たちが松林再生を目指してまた集い、語らっている。震災から5年めの年が明けた。言葉の使い方が正しいかどうか分からないのだが、松も人も地域も、一層おがることを祈っている。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO81516950T00C15A1MM8000/
(JN) 昨日のNHKのある番組を観て、改めて私たちが住んでいるこの国土は、とにかく揺れるのであるといことを思った。ここに生活する以上、地面は揺れる、海は盛り上がってくる、山は爆発する、そのことを皆が理解して環境を整えねばならないのである。それでけではない、雨・雪、風、日射などの影響は、この地理的環境と融合して様々な力を及ぼす。私たちのこの自然環境と闘うのか、共存するのか、逃げるのか、一人一人が考え、皆で語らい、国政へ影響を与えねばならない。いつまた、どこかで、震災がどのように起きるのか。その予測は難しくても、起きたらどうできるか、何が必要で、何があったらいけないのか、目先の経済・生活に惑わされず、ここで未来に人が生活して、幸福が成長して行く場としよう。