『あの日、津波から一緒に逃げた友人も遠くに避難し、3日の・・・』

<2017年1月8日(日)>
『あの日、津波から一緒に逃げた友人も遠くに避難し、3日の成人式で約6年ぶりに会えた』
 「新成人の荒木香さんは潮の香りを挙げた。『でも一番は人間関係』という」。「天声人語」(170101)は、福島県双葉町の今後を思う。「政府は5年後をめどに町の一部で人が住めるようにする方針だ。町は約10年後の町内人口を2、3千人と計画する。一方で昨秋の世帯主調査で「戻りたい」との答えは13%だった。双葉ダルマを売るだるま市がきのう、いわき市内の仮設住宅前で始まった。新春行事を絶やすまいと有志が震災翌年から続ける。県内外から臨時バスが出るきょうは再会の笑顔も増えそうだ。春で休校になる双葉高校の校章にちなみ、緑色のだるまも登場した。買い求められた先々で、それぞれの願いがかないますように。」
 双葉ダルマは双葉の人たちを片目で見つめている。その目が両目になるのはいつなのであろうか。成人の祝いを迎え、若者たちは生活の地とその人たちのことを心に刻んでいるのか。2011年の3月以前の故郷はどんどん遠ざかっている。好き好んで出たわけではない。生活の場を突然奪われた。今どのようになっているのか。戻れるようになったというが、本当に大丈夫なのか。安全に安定した生活をして行けるのか。戻ったところは、元通りになるのか。どんなに努力をしても、放射の漏れによる汚染の後は、自分たちではできなもどかしさをどうすればいいのか。多くの双葉町民は、町を故郷とするという選択をするしかない思いであり、ダルマへの願いはそれぞれである。(JN)