『震災と原発事故が子どもたちの生活を、いかに揺るがしたのか』

『震災と原発事故が子どもたちの生活を、いかに揺るがしたのか』
 「『どんなものでも 食べつくす、鳥も、獣も、木も草も。鉄も、巌も かみくだき、勇士を殺し、町をほろぼし、高い山さえ、ちりとなす』…さてこれは何か?」「筆洗」(東京新聞/2016/3/12)は、『ホビットの冒険』のビルボのなぞなぞを出し、「二万を超す福島の子どもたちがいまだ避難生活を送っていることを思えば、五年という歳月の重さが、いっそう重くなる」と。「よく返ってくる答えは、『人間』『心』に『宇宙』や『夢』。しかし、震災後に福島で聞いたら、『地震』『放射能』であった。ゴクリが出したなぞなぞの答えは、『時間』である。だが五年前に途方もない代償を払って手にした教訓を、時間に食べつくさせるわけには、いかない。」
 世の中には、唯一の正解が無い事が多い。人それぞれの経験により、変わるものである。さて、なぞなぞ、「どんなものでも 食べつくす、鳥も、獣も、木も草も。鉄も、巌も かみくだき、勇士を殺し、町をほろぼし、高い山さえ、ちりとなす」について、自分なら何と答えますか。私なら「戦争」。全てを破壊してしまう近代戦争は過去を破壊する。そんな戦争の苦しみから70年経っても傷跡は消えないのに戦争をしたがるものがいる。同じように、「地震」や「放射能」もすべてを破壊し、人を寄せ付けなくする。その恐ろしさを時間が食べつくし、忘れ去ろうとしてはならない。(JN)