アベノミクスを有権者はどう評価するだろう

(日経「春秋」2014/11/22付) 人間の脳は楽観主義なのだそうだ。過去の幸福な記憶よりも未来に起こることの方を「明るい」と思う人が多かった。脳は未来の幸福な出来事を想像した時に最も活性化するという(クリス・バーディック著「『期待』の科学」)。明日への期待が持てれば、人の行動も変わってくる。そう仕向けることがアベノミクスの柱の一つだ。大胆な金融緩和でデフレ脱却へのムードを盛り上げる。株高を演出して給料が増える期待を高め、個人消費を押し上げる。衆院が解散になり、事実上の選挙戦が始まった。この2年のアベノミクス有権者はどう評価するだろう。「期待」が冷め始めているようにもみえる。明確な説明がまだない小渕優子経済産業相らの政治資金問題は、リセットされてしまうのか。企業に女性社員の育成や登用を促す法案の成立も先送りされた。有権者は安倍政権にどんな審判を下すだろうか。
(JN) ゲームは、子供たちだけでなく日本人皆が好きなのか。ゲーム上は、負けても死んでも、次のゲームはまた戦える。だから常に、ゲームには未来があり、また活躍できる。政治家のゲームは、その者たちの生命は尽きてしまうまでやる気なのであろうか。でも、このゲームにはお金がかかり、そのゲーム参加者は潤うのかもしれないが、そうでない者は蚊帳の外だ。未来に期待するのは、今が期待を持てないからかもしれない。アベノミクチュは期待通りではなかった。だからリセットするのであろう。アベノミクチュ解散は、ティルトである。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO80040840S4A121C1MM8000/