何が患者連続死を招いたか

何が患者連続死を招いたか
(日経「社説」2015/3/8付) 群馬大学病院で先進的な手法によって肝臓の切除手術を受けた患者8人が、相次いで死亡していたことが明らかになった。驚くべきは、この医師は従来型の開腹手術でも複数の死亡事故を起こしていたことだ。なぜこのような医師が新たな手法の手術まで続けることができたのか。同病院では患者が死亡した際に、何が問題だったかを検証する会議が開かれていなかったようだ。医療事故としての報告もなかった。新しい技術を患者に使ってもよいかを検討する院内の倫理委員会なども通していなかった。群馬大病院のような状況が他の病院でもあるとすれば、新制度への不信感にもつながりかねない。一連の事故を執刀した医師一人の責任にするのは簡単だ。しかし背景には、大学病院の閉鎖的な診療環境があることも間違いなさそうだ。組織のあり方から見直すような抜本的な対策が求められる。医療事故を起こさない緊張感のある組織かどうか。全国の病院でも緊急に点検すべきだ。
(JN) 一体この組織は、何を目的としたところなのか。人の命を何と考えるのか。病院や医者には、名誉、地位及び金も与え、責任を以て我々の命を託している。連続殺人を起こした者、そして、それを許していた者の罪は、裁かれねばならない。悪さえ感じられる。まずは、人として許せない、そして、その身分を持つ者として許されない。これは、日本の医者の組織の縮図なのだろうか。これは、氷山の一角で、まだまだ、露見していないだけなのであろうか。それは、恐ろしい話だ。象牙の塔の中は、どうなっているのか。群大病院だけでなく、自主的に見直してほしい。我々は、病院を頼りにしているが、今後は、常に疑いの目を持ちながらの受診では、治るものも治らない。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO84108450Y5A300C1PE8000/