外遊しているうち解散風は、順風が強くなりすぎ逆風に

(日経「春秋」2014/11/18付) 先週、北京での国際会議から帰国した甘利明経済財政・再生相は、「成田に着いたら景色が変わっていた」と。きのう、足かけ9日に及んだ外遊から戻った安倍晋三首相は、7〜9月期の国内総生産(GDP)が前の期に比べ実質で年率1.6%のマイナスにサプライズ。ショック。名うてのエコノミストたちは、事前の予想では2%程度のプラス成長になるとの見方が多く、マイナスを見込んだ人はいなかったという。消費税率の再引き上げを先送りしたい安倍首相にとっては追い風だ、との声がある。その半面、衆院を解散して国民の信を問う必要はなくなった、解散となれば政策の実行が足踏みするのは避けがたい。景気対策や成長戦略に全力を、との機運が高まるようだと、安倍政権には痛手だろう。首相が外遊しているうちに急速に発展した解散風は、順風が強くなりすぎて逆風に転じたようにもみえる。
(JN) エコノミストとは何を根拠に予測をしているのかといいたいが、世の中無常であり、予測など短期的には無理なのであろう。また、外遊しようがそれとは関係なく世の中は変化する。我々は、この経済状態についてきちんと把握し、そのための正しい政策を要求したいが、これも現状を把握しても原因は掴めず、これに対する政策などないのかもしれない。短期的なこの揺れは、我々を無力にする。その揺れを耐えながら、日本の10年後、20年後、50年後を考えてくれる者はいるのだろうか。そういった者を私たちは選ばねばならない。それにしても、師走に選挙とは迷惑な話であるが、やるとなったら投票する側も自分たちの代表者をしっかり選ぼう。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO79841420Y4A111C1MM8000/