政治家は慌ただしく全国に散り、一票を懇願し始める

(日経「春秋」2014/11/21付) 中島みゆきさんに「紫の桜」という曲がある。南半球の大陸や南洋の島で咲くジャカランダの樹に、大切な思いを託する心情を歌い上げる。〜忘れてしまえることは忘れてしまえ。忘れきれないものばかり、桜のもとに横たわれ。抱きしめて眠らせて、彼岸へ帰せ……。安倍晋三首相が外遊の最後に訪れた豪州のブリスベンは、その紫色であふれていた。豪州で沈黙を守った首相も、胸中では変化の嵐を起こすボタンに指をかけていたに違いない。きょう首相が衆院を解散する。政治家は慌ただしく全国に散り、地元の一票を懇願して街頭で叫び始める。けれども演説で、いったい何を訴えるのだろう。何を有権者に問う戦いなのだろう。国民の幸せを願う真心が、政治の側からは伝わってこない。〜別れを告げて消えてゆくものはない。思いがけないことばかり。残されることが生きること――。思いがけない選挙に、国民は驚いてばかりもいられない
(JN) 選挙がやって来る。これから逃げてはならない私たちであるが、立ち向かうためにはどうすれば良いであろうか。どの政党が主権を握ろうと日本の将来は変わらないのではないかと思ってしまうが、そう言って逃げてはならない。争点がないのであれば、各自が夫々尺度を作り、候補者を選択するしかない。その尺度は、自分、家族、仲間、地域、日本、アジア及び世界等のことを考えてのことであり、熱が出そうだ。そう、熱を出し切り、私たちのために真摯に働く人を選ぼう。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO79982890R21C14A1MM8000/