あれからあすで2年

(日経「春秋」2014/11/13付) 「ルビーの指環」は、別れた恋人への未練が切々と伝わる名曲だった。そして二年の月日が流れ去り。どうやら別離はまだ2年前のことで、ふと記憶が甦(よみがえ)るのだ。振り返れば一昨年の11月14日、当時の野田佳彦首相は安倍晋三自民党総裁との党首討論でだし抜けに翌々日の解散を口にした。「嘘はつかない」「約束ですね」。あれからあすで2年。にわかに強まる解散風はあのドラマを生々しく思い出させる。怖いものなしの1強支配が続いてきた日々であったが、最近はどうも調子がわるい。ギクシャクが目立つ。そんななかで出てきたのが2年ぶりの解散話だ。消費税の再引き上げは延期して選挙でお墨付きを。そして政権の安定を。思惑は募るばかりらしい。二年の時が変えたものは 彼のまなざしと私のこの髪――。やはり「2年」を歌った竹内まりやさんの「駅」ではないが、人々のまなざしに転変はありや。
(JN) もう、民主党の惨敗から二年の月日が流れ去り、更に自民党議席を増やそうと考えているが、無闇に選挙を行うことはどうなのであろうか。理由さえ揃えば、衆議院解散を首相が宣言するのであろう。私たち市民は選挙を受けて、義務と権利を行使せねばならない。選挙に当たって、投票する者は、情報を収集し、日本の今だけでなく、未来の子供たちのためにも自分で考え、また仲間や家族と意見を交わし、自信を持って投票すべきである。それから2年後に、どんな状況が待っているかわからぬが、それは投票した者、或いは投票しなかった者の責任なのである。少しは、我々が変わらなくてはならない。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO79628230T11C14A1MM8000/