思いを込めた一票を今日こそ投じたい

思いを込めた一票を今日こそ投じたい
(日経「春秋」2015/4/12付) 一夜で村が消える。中世から江戸末期まで、農村で見られた逃散。最近の研究によると、年貢が軽いなどの好条件や豊かな生活を求めての移住「走り」も多かったらしい。藩主や領主は、来る者を年貢軽減などで積極的に迎え入れ、去った者はどこまでも追いかけた。(宮崎克則著「逃げる百姓、追う大名」)。いまは民主主義の世の中だ。自分たちの手で知事や市長を選べる。政策も変えられる。住民は逃散や走りなどの行動にでなくてもすむ。だが、町や村はゆっくりと消えていく。事態を変えるはずの政治が劣化している。知事、市長は多選が多く議員はなり手が少ない。最近の投票率は5割前後と関心が薄い。1947年4月の第1回は7割を超えていた。占領下、自治への期待が大きかったのだろう。自ら地域に活力を取り戻す。その思いを込めた一票を今日こそ投じたい。
(JN) 白黒つけることを好まぬ日本の住民、選挙は盛り上がらない。せっかくの機会を簡単に逃し、自分たちの生活を選ばぬ人に任す。選挙権がありながら投票をせず、食うや食わずでは、江戸時代以前の農民と変わらない。そのような状態は、一見、安定政権の維持で変わらぬ世界を続けられるように思うが、それはどうであろうか。現状維持は後退である。私たちが、生き生きと生活をして行くためには、違った刺激を与え変化して行くことで、自分たちも変えて行き、成長をして行くのである。同じ繰り返しはない。新しいものを求めて、大事な一票を投じよう。人間は、変化の中で成長する。知事や議員等は落選があるから新たな力を作り出すはずだ。そのための選挙である。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO85588630S5A410C1MM8000/