カセット式VTRの開発を発表したのが1969年の今日

(日経「春秋」2014/10/29付) きょう10月29日はソニーの歴史に残る日のひとつだ。カセット式のカラーVTRの開発を発表したのが1969年のこの日だった。オープンリール式を週刊誌の半分ほどのカセットに変え、家庭にVTRが広がるきっかけをつくった。開発を指揮した木原信敏氏(後に専務)は、どうすればカセット式ができるか筋道を立てて取り組んだ。的を絞り、技術陣をひとつにした。木原氏のリーダーシップから学べるものは多い。人材の力を最大限に引き出すため、何をなすべきかを明確にし、そこに集中させる。いまのソニーに必要なのも、どうやって企業を成長させるか、ビジョンをはっきりさせることだ。不振事業の止血に追われるだけでは社員の士気も上がらない。創業者の井深大氏は新製品が生まれてもすぐに、「次はもっといいんじゃないの」と、新たな目標に向かって進めとハッパをかけた。勢いを取り戻す日は来るか。
(JN) ベータビデオは良かった。ウォークマンは画期的だった。過去の遺産にもう助けてもらえない。ソニーという名前で、どこまで物が売れるのか。企業の世界は厳しい。資本主義において、会社が活き活きと生きて行くのは50年ぐらいなのであろうか。今のソニーは老齢期を迎え、やがて命を失うのか。灰になってから、不死鳥の如く返り咲くのか。大好きなソニーを応援したが、買うものがない。ここは立て直しを図り、アップルよりも魅力的な製品を作り出して欲しい。町工場から出直すには大きくなり過ぎたソニー、どんなダイエットをして、活気ある体にするのであろうか。組織は昔の戻れなくと、ものづくりの精神の原点は返ることができよう。魅力的な商品開発に期待する。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO79028340Z21C14A0MM8000/