東大、ここ4年間は86連敗で今季を終えた

(日経「春秋」2014/10/28付) 野球といえば東京六大学という時代が、かつてあった。たとえば1937年に出た吉野源三郎の少年向け読み物「君たちはどう生きるか」には、主人公コペル君らが早慶戦のラジオ中継をまねて絶叫する様子が生き生きと描かれている。ところがこのロングセラー、戦後の新版では早慶戦の場面がプロ野球の巨人―南海戦の実況にまるごと差し替わってしまった。世間の目がすっかり離れたのだ。盛り上がらぬ理由のひとつは「東大問題」かもしれない。毎シーズンのように最下位に甘んじ、特にここ4年間は白星もなく86連敗で今季を終えた。他校とはまるで選手の事情が異なるからなのだが、それにしてもちょっと負けすぎである。リーグ戦の意義が薄れもしよう。奮起を迫られる東大ナインにとって、15年ぶりの優勝を狙う立教の活躍は大きな刺激に違いない。これで東大が頑張れば六大学野球ももう少し話題になるはずだ。大スタジアムは早朝より数万の観衆に埋められて立錐(りっすい)の余地もありません――「君たちはどう生きるか」の、野球が若かったころの光景は取り戻せぬにしても。
(JN) 大学野球の在り方に問題はないのか、否、その前に、高等学校の野球に問題がないのであろうか。これは、当方が小学生のころからの疑問であった。それは、当方の自宅のすぐ近くに甲子園に出るほどの実力を持った高校の野球グラウンドがあり、毎日、気持ちいい打球の響きが聞こえる。それは良いのだが、小学校から帰ってくる当方より先に高校生たちは練習に入っているのである。あのお兄さんたちは何時勉強するのか。夕方もナイター設備があり、練習ができる。高校は、野球寮から1時間以上かかるから、朝早く登校し、午前中で授業を終えてグラウンドにいる。そして、彼らが入試の難しい大学に入学をしてゆく。子供心に納得がいかなかった。更に、大学に入学して、一日中とは言わないが野球尽くしである。やがて、〇〇大学出身で社会へ出て行く。学校教育はこれで良いのか。東大野球部よ、がんばれ。頭でっかちと言われようが、大学教育を学び理解し、野球を楽しみ、4年で大学を卒業しよう。大学野球を楽しむのは関係者だけでいい。皆が楽しむ野球はプロ野球である。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO78972310Y4A021C1MM8000/