ひとり飯は近代的自由の象徴なり

(日経「春秋」2014/10/13付) 井之頭五郎テレビ東京系の深夜枠で先月まで4期にわたって放送された「孤独のグルメ」の主人公だ。仕事の合間に立ち寄った店で定食、カレー、回転ずし、などなどをただ食しては、あれこれ独り言を言う。焼肉屋で盛大にカルビをぱくついて。しばしば否定的に語られる「孤食」だが、見わたせばあの店この店にひとり飯を楽しむ五郎さんはいよう。柳田国男は、近代以降、およそ食物は温かく、柔らかく、甘くなり、共同の飲食が減って個々の嗜好を重んじるようになったと説いている。誰にも気兼ねなく、混み合う居酒屋で好きなものを飲み食いするという図はムラ社会にはなかっただろう。ひとり飯は近代的自由の象徴なり、だ。もっとも昨今の大学生など、ランチ仲間がいない「ぼっち飯」をひどく恐れるらしい。ムラ社会への退行とは言わぬが、こんなところにも同調圧力にさらされる若者のすがたがあるのかもしれない。みんなでワイワイはもちろん愉快だが、ひとりもまた良し。井之頭五郎みたいなオトナに、そのへんの流儀を学ぶのもいい。
(JN) 食事自体が楽しいので、多数でワイワイ、家族で団らん、また、一人で味わう、どれも良い。そう言いたいが、日々の仕事の中では、ルーチン業務の一つとしていかに素早く終わらせるか努力しているのが現状である。その現状の中で、どんな食を取るか、それなりに気をつけている。また、店やメニューに変化を与えるようにしている。これは、年齢を加えてからの習慣であり、若いときは、唯好きなものを食していたが、それが仇となり、生活習慣病検査の数値に現実が現れるようになった。食事のとり方は自由だが、その自由の中で、自分の未来を展望しよう。それは、仲間、店、メニュー、質、栄養、味付けなどに偏ることなく、バランスよく楽しもう。また、きれいで美味しいものには気をつけよう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO78346400T11C14A0MM8000/