TPPの「聖域論」をよそに、世界を視野にひた走る農協もある

(日経「春秋」2013/11/27付) 「ハーゲンダッツ」という名前は北欧風の響きだが、実は米国の会社である。お値段は普通のアイスクリームよりかなり高いけれど、おいしいから人気がある。その味の秘密は原料の牛乳にある。群馬の工場にほぼ一手に供給しているのが、北海道の浜中町農業協同組合だ。所得が伸び食生活が豊かになると、仕上げにデザートが食べたくなる。中国や東南アジアで高級アイスの需要が伸びれば、浜中町の商機が海外に広がるのは間違いない。TPPをめぐる「聖域論」をよそに、世界を視野にひた走る農協もある。
(JN) 強みを活かせというが、農業をこれまで営んできたのは小さな個々の農家である。減反政策等、戦後の政策は、農業を小さな囲いの中に閉じ込めてきた。これをさあ、自由に自分たちの力を発揮しなさいととは辛い。でも、構造を変えないことには日本農業は立ち行かない。土地というものも、農業には大きく伸し掛かっており、税金もどうするのか。大きな圧力団体である農協が何をすることができるのか。まずは、日本の食をどうするのか、そのなかでTPPを考えてもらいたい。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO63199990X21C13A1MM8000/