文化輸出のカギは、多様な人材を生かせるかどうかにある

(日経「春秋」2014/4/13付) タイのバンコクに近年できた「ターミナル21」という商業ビルは、階ごとに異なる海外の街を「再現」したのが特徴だ。パリ、ロンドン、サンフランシスコなどと並び東京をテーマにした階もある。内装を見ると、タイの人が東京の何に魅力を感じているか垣間見える。自由で楽しく便利な日本の文化や消費生活に興味を持つ人が、世界で増えている。日本をもっと深く知りたいと思ってもらうにはどうするか。政府は昨年、映像や和食などの文化産業を支援するファンドを官民共同で立ち上げた。5年間で1500億円を投じるそうだ。ある演劇人は、目先の資金より「人」の育成が課題だという。それぞれの国に合う演目を選び、いい劇場を押さえ、宣伝に助言する。一から育てるのもいいし、海外在住者や外国人に頼るのもいい。文化輸出のカギは、多様な人材を生かせるかどうかにある。普通のビジネスと変わらない。
(JN) よく言われるように、日本の資源は人である。その人達が小さな島の中で犇めいている。狭いお家、小さな町、狭い道、小さな畑、小さな列車、小さなお店、小さな自動車、・・・・・・・。私たちは狭いところが安心するのか、密集地帯が好きなのか、みんな一緒で同じが良いのか、そんな文化を他国の人たちに理解を求めるなら、そういう人を派遣することである。西欧の真似を続けて一世紀半、同じことをしても対等にはならない。であるから、ミニ西洋人ではなく、素朴な日本人を海外に派遣し、日本人とは日本文化とは、こんなであり、こんなことができるとアッピールすべきである。文化の伝達と海外支援は、お金や物ではなく、人を送り込み、また人を受け入れよう。年寄りが増えるこの日本、年配者を輸出し、海外から若者を受け入れ、日本という国の文化を知ってもらう。また、日本には、島国根性で多様な文化を受けれられない人々が存在する。そんな人たちに、是非とも、混血人種である私たち日本人は、多様性を受け入れることで、日本の良さも知ってもらいたい。日本を世界に理解してもらうことは、私たちが世界を理解することである。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO69812210T10C14A4MM8000/