「派出所」は、実はいまは日本に一つもない

(日経「春秋」2014/5/19付) 「こちら葛飾区亀有公園前派出所こち亀)は、週刊少年ジャンプの連載を一度も休むことなく38年続いている。単行本だけですでに189巻、累計1億4千万部の売れ行きだ。国民的漫画といっていい。ところが作品名にある「派出所」は、実はいまは日本に一つもない。警察庁が20年前、通称だった「交番」に改めたからだ。もちろん住民と警察をつなぐ役割が変わったわけではなく、その存在は海外からも注目される。交番となった派出所は海を越えてKOBANに変わり、シンガポールインドネシアに広がっている。サッカーのワールドカップ開催を来月に控えたブラジルも、交番の輸入国だ。200以上の交番があるサンパウロ州で殺人事件が激減するなど、効果は大きいという。現地では、ワールドカップの開催に反対するデモの一部が暴徒化し、略奪に走るなど混乱も起きている。治安の改善はなお道半ばだ。交番という建物が安心につながるのではない。地域を歩いてパトロールする。道案内や住民の相談を受ける――。交番システムがブラジルに根付き、安全な街づくりに一役買うことを願う。
(JN) 警察は、種々問題を発生し、市民の警察官ではないようなイメージがあるが、交番のお巡りさんは僕らの味方だと思いたくなる。これも、「こち亀」の影響が大きいのか。あんなふざけたスーパーおまわりさんは、世の中にはいないであろうが、交番は身近でお世話になる。基本的に悪いことしていなければ優しい対応で、大変ありがたい。知らない街で、交番があるとほっとするが、そこにおまわりさんがいないこともある。その時は、砂漠でオアシスを見つけたが、そこには水が枯れていたようなものだる。仕方なく、デスクの電話を取り、可愛い婦警さんが電話に出ないかな、などと思いながら電話すれど、太い声。兎にも角にも、交番は僕らの味方であるが、それは日本の警察の訓練の賜物であろう。色々問題を起こしている日本の警察ではあるが、基本的には真面目で優秀なおまわりさんを育てているのではないか。海外の交番も、そういったおまわりさんを配属してください。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO71418950Z10C14A5MM8000/