その結果、大阪の街頭犯罪は東京を下回った

(日経「春秋」2014/8/3付) 米国の検事に頼まれ、日本の治安状況を説明したことがある。犯罪の少なさ以上に先方が驚いたのは、小さな事件まで漏らさずに記録する日本式の統計だ。「でも日本もこの先、犯罪が激増すれば米国式の統計になると思う」。検事が別れ際に笑いながらこう言ったのが印象に残っている。そんな米国方式が、ひそかに大阪で採用されていたとは驚きだ。その結果、大阪の街頭犯罪は10年から3年連続で東京を下回った。どのくらい目標に近づいたかを判断するための統計が、望む結果にあうように修正されていく。数字の持つ怖さを実感させられる話である。
(JN) トラブルを隠してトラブルを増やす。目的のための目標があるのに、目標のために事実を偽る行為は弱気愚かなる我々の行動である。これは、組織の無能であろう。大阪府警だけがということではなく、私たちを守ることを基本業務としている筈の警察がそうではないものを守ろうとすることで、成果数値をあげていることは情けない。せっかくの日本式の統計には、治安を良くするための情報が沢山詰まっている。日本の警察は、これを偽りのない基本情報として、これを解析して日本の治安を更に良くして、その技術を交番のように世界に広げるべきではないか。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO75173650T00C14A8MM8000/