王子様と結婚すればメデタシメデタシじゃない

(日経「春秋」2014/5/12付) 「レリゴー、レリゴー」。街や家で子供や女性たちが口ずさむ。「アナと雪の女王」の主人公の一人が自分らしく生きようと決め「Let it go」と歌い上げる。これでいいの、という意味合いの英語が耳にレリゴーと残るわけだ。ディズニーが長編アニメを作り始めて80年。53作目のこの作品には、2つの「初めて」があるという。ヒロインが2人いることと、監督に女性を起用したことだ。「偶像化された過去のお姫様」は参考にせずヒロインを描いたそうだ。製作者は監督に女性を選んだ理由を、能力や情熱に加えて「女性の視点が非常に大事」な作品だから、とも説明している。狙いは当たり、世界でも日本でもヒット。国境を越えて「レリゴー」が広がる。王子様と結婚すればメデタシメデタシじゃない。人生を切り開くのは自分自身。そうした共感を含んだ歌声にも感じる。
(JN) 「玉の輿」は、昔の話である。女性と男性の性別に関わりなく、世の中は動いていく。肉体的な面での配慮は、なければならないが、基本は差別がない。でも、ここで敢えて言っているという事は、差別がある事であり、特に日本においては、女性の社会進出が遅れている。子供産み、母乳を飲ませることは、男にはできないが、育児はできる。家事も同様だ。「アナと雪の女王」については何も知らないが、この日本では王子様はいないので、女性たちは頑張らねばならない。ディズニーでこのようになって行く中、スターウォーズは、男ばかりの世界である。これが実は「昔々のお話」ではなく、現実を描いているのであろうか。未来はどうなって行くのであろうか。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO71046590S4A510C1MM8000/