お母さん、ありがとう。素直に言えるだろうか。

(日経「春秋」2014/5/11付) 職種は「現場総監督」です。原則1日24時間の勤務。年間365日、休暇はありません。食事をとる時間はありますが、他の同僚が食べ終わってからです。徹夜で働く場合もあります。サラリー? 無給です。世界で一番大事な仕事ですよ。やってみる気はありますか。ネットで話題になった、ある企業の広告の動画である。面接官は自信たっぷりで語り続ける。世界で何億人もの人がこの仕事に就いているという。「母」という職業である。総監督を引退する年齢は意外に早く来る。子は10代後半には母から自立し、母は子離れをして再び自分自身と向き合わねばならない。どちらも甘えと期待を絶つ、ほんの少しの勇気と葛藤が要る。お母さん、ありがとう。素直に言えるだろうか。大人同士だからこそ心に届く感謝の言葉もある。
(JN) 親は、何時まで経っても親であり、その子供は20歳になろうと60歳になろうと、それは子供である。特に、母親との接する時間は長く、全てお見通しであり、何時までのも子ども扱いは、十代後半より煩わしくなるのだが、実はありがたいものである。感謝を申し上げたいが、ありがとうがなかなか言えないのが現実だ。この育ての親の他にも、我々には、職場やアフターファイブの場にも居られる。若いころのアフターファイブに、上司に連れられて行く店は、年配女性の店ばかり、何でと思っていたものだが、そう、煩わしくない母親に会いに来ていたのであろうか。それはともかく、世界中のお母さんに、ありがとう。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO71029340R10C14A5MM8000/