併合、いや併呑と呼んでよかろう

(日経「春秋」2014/3/19付) プーチン大統領の強力な指導力のもとに進んでいるめざましい経済的、民主的変化の反映である――。サミットでロシアが議長に就くことが決まったのは2002年、カナダの保養地カナナスキスだった。ロシアはその4年後にサンクトペテルブルクでG8サミットを主催し、ことしは2度目の議長を五輪の地ソチで務めることになっている。しかし、ウクライナをめぐるロシアのやりかたは、それほど専横の愚にみちている。クリミアで軍の力をバックに結果の分かりきった住民投票を行わせる。そして独立を認めたと思ったら、矢継ぎ早に今度はロシアへの編入である。併合、いや併呑(へいどん)と呼んでよかろう。69年前、クリミア半島のヤルタでチャーチルルーズベルトスターリンの3首脳が築いたヤルタ体制は、世界規模の戦後レジームだった。クリミアを襲った新しい事態は、カナナスキスで築いたG8体制が崩れ去る予兆だろうか。
(JN) あれだけの広大で、民主主義体制で資本主義的発展を十分に経験していないロシアは、力尽くのやり方でないと、国を運営していけないのであろうか。ゴルバチョフのような指導者では混乱を招いてしまう一向に成長しない、変わらぬマッチョな国である。国が分断されるという事は、親戚・家族の分裂と同様に悲惨である。南北や東西に政治権力によって分断された国は、いくつも見てきた我々、進歩しないことを続けてよいのであろうか。ロシアが圧力を加えて呑み込もうとしているのに、その当事国がが選択したことと認めるわけには行かない。これについて、日本ははっきりした態度にできることができるのか、安倍首相のお力拝見である。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO68516080Z10C14A3MM8000/